失う日々。

2005年8月20日 家族の話
大事な人ともう二度と会えなくなっても
私はそこで時間を止めることも戻ることも出来ない。
大人になるってことは大事なものをたくさん失うってことなんだ。
「絶対」なんて無いってことだ。

おばあちゃんちの台所にはおばあちゃんが立っていて
いとこやお姉ちゃんやお母さんやお父さんとその料理を食べながら
おばあちゃんがおじいちゃんの悪態をついてるのを見ながら笑ってた。
そんなの当たり前のことだったのに。
 
あの家におばあちゃんが居ないなんて嘘みたい。
元気で綺麗でオシャレで活動的で気位が高くて世話好きで優しくて面白くて
料理が上手で友達が多くて、
俳句コーラス旅行茶道、パソコンや携帯も出来て、多趣味で若くて
これといった持病も無かった、健康そのものだったおばあちゃん。
 
本当に、突然亡くなってしまった。

きっと、おじいちゃんに呼ばれたんだろう。
だっておじいちゃんの納骨の日に倒れるなんて。
そうとしか考えられないよ。

 
おばあちゃんはしかめっ面で、おじいちゃんに悪態ついて、
おじいちゃんはそれを右耳から左耳に流してキョトっとした顔をしていた。
「本当に、死にたがりのじいさんだね、全く」って
タバコ吸うなって言ってるおばあちゃんの目を盗んでは
手品師のようにタバコをスーッと出すおじいちゃんだった。
 

そんなんだったけど本当は二人は芯から愛し合ってたんだ。
おじいちゃんもおばあちゃんも、お互いが側に居ないとダメで
二人は、出会いも別れも共にあるってのが運命だったんだと思う。
 
 
 
でも、もう少しだけ、ここに居て欲しかった。
私は、してもらうだけで何も出来なくって
二人が与えてくれるものを当たり前みたいに享受してて
何も返せなかった。
なんてバカだったんだろう私は。 
 

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